こんにちは、しんたろうです。
僕は石垣島の職場ではゲイであることをカミングアウトしています。
今回はカミングアウトしようと思った経緯と周りの反応について書いてみたいと思います。
- ゲイをカミングアウトした時期と範囲
- ゲイをカミングアウトしようと思った理由
- ゲイをカミングアウトしたときの周りの反応・自分の気持ち
- ゲイをカミングアウトしたことによるメリット・デメリット
- カミングアウトして良かったか
ゲイをカミングアウトした時期と範囲
カミングアウトした時期
僕がゲイをカミングアウトしたのは石垣島へ転勤して3ヶ月目です。
2018年の9月に石垣島に住み始め、年末に新しい職場での忘年会があったので良いタイミングかなと思いカミングアウトに踏み切りました。
「飲み会の場だとほぼ間違いなく結婚(恋愛)の話題になるだろうからそこでカミングアウトしよう。」
と思って忘年会に臨みました。
案の定そういう話になったので「実は……」という形で切り出しました。
正直かなり緊張して言葉に詰まりましたが、なんとか話すことができました。
カミングアウトしてしまったことでタガが外れたのか、その忘年会ではしこたま泡盛を飲んでしまい生まれて初めて記憶を飛ばしました 笑
みなさんも飲み会の場でカミングアウトする場合は気を付けてください。
カミングアウトした範囲
僕がカミングアウトしたのは職場の同じ部署の人たちです。
ただ、「吹聴してほしくはないが口止めするつもりもない。」という言い方をしたので間接的に知っている人もいるかもしれません。
あとは石垣島に来てから出会った人と結婚の話になった場合は基本的にカミングアウトするようにしています。
家族や石垣島に来る以前の知人・友人にはカミングアウトしていません。
うちの両親は割りと古い考えの人物なので今後も打ち明けることはないと思います。
先日、帰省した際にたまたまセクシャルマイノリティの話題になったのですが、両親の口振りから察するに余り理解を得られそうにないと感じました。
家族でカミングアウトする可能性があるとすれば姉くらいですかね……。
大学の部活の友達なんかはとても仲が良いですがカミングアウトする勇気はありません。
”そういう目”で見ていなかったかと言われればNOなので……。
これからも石垣島で出会った人には隠さないつもりでいます。
ゲイをカミングアウトしようと思った理由
結婚についての質問が煩わしかったから
僕は現在30歳ですが、世間一般的に結婚適齢期なのでしょう(沖縄基準だと遅いくらいです)。
大学時代の友人もぞくぞく結婚していますし、職場でも結婚している人が多いです。
石垣島の職場に来た当初も「結婚しているのか/しないのか」という質問を受けることが非常に多くて辟易しました。
正直いちいち相手にするのも面倒なのでいっそのことカミングアウトしてしまった方が楽なのかなと思って忘年会のタイミングで打ち明けました。
石垣島という新天地で今までの知人がいなかったから
カミングアウトできた最大の理由としては今までの関係性がリセットされたことだと思います。
石垣島に来る前は一応ノンケの振りをして生活をしていた期間が長かったので今更カミングアウトするのもなぁという気持ちが大きかったです。
しかし、石垣島なら今までの知人はいないので早い段階でカミングアウトしてしまおうと決心しました。
カミングアウトした場合の周りや自分自身の反応を知りたかったから
今までゲイということを隠して生きてきました。
それはゲイだと言わない方が良いと思っていたからです。
しかし、実際にカミングアウトした経験はなかったので本当にそれが正しいのかという自信はありませんでした。
今でこそ石垣島に長く住み続けたい思いが強いですが、来た当初は2~3年でまた那覇に戻るつもりでいたのでカミングアウトして悪い結果になったとしても石垣島から離れてしまえば良いだろうと考えていました。
カミングアウトされた人たちがどんな反応をするのか、カミングアウトすることで自分の心境にどんな変化があるのかは非常に興味がありました。
ゲイをカミングアウトしたときの周りの反応・自分の気持ち
想像以上に受け入れてもらえた
忘年会でカミングアウトした際の周りの反応は
「あー、そうなんだね。」
「やっぱりそういう人もいるもんなんだね。」
というような感じでした。
少なくとも表立って嫌悪感を示した人はいませんでした。
また、その後の職場で距離をおかれたというようなこともありませんでした。
歳の近い同僚の中には「自分の友達にもゲイいますよ。」という人もいました。
やはり時代の流れですかね、想像以上にすんなり受け入れてもらえました。
先人たちの努力に感謝ですね。
もちろん心の中でどう思っているのかは分かりませんが、良くも悪くもセクシャルマイノリティを差別することが忌避されるようになっているのでしょう。
もちろん周りの人に恵まれていたりまだ人間関係の浅い段階で打ち明けたというのも受け入れてもらえた要因にあると思います。
この人達ならカミングアウトしても大丈夫かな、という雰囲気は3ヶ月の間で感じていたのでそれは間違っていなかったようです。
そして在籍期間が長くなればなるほどカミングアウトするのに必要な勇気も大きくなっていくので、打ち明けるなら早い段階の方が良いというのはその時に得た教訓です。
カミングアウトしてみた自分自身の気持ち
最初に思ったこととしては、
「あぁ、こんな簡単に受け入れてもらえるもんなんだ。」
というようなことですね。
しかし、だからといって家族や大学時代の友人にもカミングアウトしようという気持ちにはなりませんでしたね。
そこには今まで築いた人間関係を壊したくないという思いが強く働きます。
また、「カミングアウトして良かった。すっきりした。」というような気持ちもそこまで無かったと思います。
そういうのはやはりある程度の関係が構築されている時に感じるものなのかなと思います。
ゲイをカミングアウトしたことによるメリット・デメリット
メリット
結婚や恋愛の話題をしやすくなった
そういう話題になること自体は減りましたが、どちらかというと僕自身が引け目を感じずに話せるようになった気がします。
今まではそういう話題になると言葉数が少なくなってしまいがちでしたが、ゲイだと知られてからは気兼ねなく話せるようになりました。
僕の恋愛に関して深く聞いてくる人はそんなにいないので、もしかしたら相手は気を使ってくれているか、どうやって話したらいいのか分からないのかもしれませんが。
嘘をつかなくて良くなった
これは上とも関連しますが、特に恋愛関係の話題で嘘をつかなくて良くなったのは精神的に楽ですね。
今まではゲイとばれないように多かれ少なかれ嘘をつかないと話題を合わせられませんでしたが、今は基本的に思っていることをそのまま口にできるのでストレスは減ったと思います。
カミングアウト済みのノンケとの飲み会が一番気楽になった
今、僕が飲み会をする場合
- ゲイ同士の飲み会
- 僕をゲイと知らないノンケとの飲み会
- 僕をゲイと知っているノンケとの飲み会
があるのですが、一番気楽なのは僕をゲイと知っているノンケとの飲み会ですね。
ゲイ同士の飲み会の場合は、自分をよく見せたいという見栄が多かれ少なかれ出てきてしまいます。
自分のタイプの人が飲みの場にいたりすると特にそうです。
僕をゲイと知らないノンケとの飲み会は、言わずもがなゲイバレしないようにあらゆる話題を口に出す前に脳内でフィルターにかける必要があるので気疲れします。
しかし、カミングアウト済みのノンケであればそのような気遣いは基本的に全くいらないので等身大で話すことができます。
前はありえませんでしたが、今は職場の人と飲み会をするのが一番楽しいです。
デメリット
今まで以上に気を使う場面が新たに出てきた
カミングアウトすればどんな時でも気を使わなくて済むと思っていたのですが、新たに気を遣わなければいけない場面に遭遇しました。
僕の会社には他部署にもゲイの知り合いがいるのですが、その方はカミングアウトをしていません。
なので、僕・そのゲイの知人・僕がゲイであることを知っている同僚というようなシチュエーションになってしまうと今まで以上に気を付けないといけなくなります。
下手をすると間接的にゲイの知人のカミングアウトをしてしまう可能性があるので非常に気を使って話さなければなりません。
ゲイ同士のノリで話すわけにもいかないですし、カミングアウトしているという気の緩みで僕がポロッとボロを出してしまわないかと冷や冷やしてしまいます。
個人的に盲点だったなと感じております。
昔馴染みと話す時にボロを出しそうになる
石垣島で知り合った人には基本的にカミングアウトしているので、普段はほとんど気を遣わずに話しています。
なので内地に行って大学の友人と話しているときも、ついつい同じテンションで話しそうになる瞬間が何回もありました。
今の所ボロは出していないと思うのですが、その内ゲイバレするような発言をしてしまいそうで怖いです。
カミングアウトして良かったか
カミングアウトしたことを後悔してはいません。
しかし、して良かったかと聞かれれば正直微妙かなと思います。
微妙というのは良い所も悪い所もあったという意味です。
カミングアウトしてしまえば一切気を使わなくて良くなるのかなと思っていましたが、別の場面で気を付ける必要に駆られるのでストレスフリーになるわけではありません。
家族や昔からの友人全員にカミングアウトすればまた違うのかもしれませんが、そうするときっとまた新たな問題点なんかも出てくるのだろうなと予想されます。
実際「ゲイだから」という理由だけで僕のことを嫌いになってしまう友人もいるかもしれません。
僕自身もどうしても受け入れられないものというのはあるのでそれは仕方ない事だと思います。
なので「絶対にカミングアウトした方がいい」と勧めることはできません。
カミングアウトしない方が良いと自分が感じているのであれば無理にする必要はないと思います。
それでも確実にひと昔前よりはセクシャルマイノリティを受け入れる環境はできつつあると思います。
少なくとも差別的発言は弾圧される傾向にあるので表面上は受け入れてくれる人が多いと思います。(過激なポリティカル・コレクトネスの運動に関しての是非は別の問題として存在しますが……。)
僕の様に新天地で生活をスタートする時がカミングアウトしてみる良い機会ではあると思うので、同じ状況にある方は検討してみてもよいと思います。
では、また。
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